2025年 中小企業成長加速化補助金 - 申請の要件、対象経費、スケジュールを行政書士が解説!
概要
2025年3月17日に、2025年の「中小企業成長加速化補助金」の公募要領が発表されました。 国は、「中小企業成長加速化補助金」を、成長志向型の中小企業が将来的に売上高100億円を超えるための、大胆な投資を後押しする支援策として位置付け、 賃上げの促進、輸出による外需獲得、そして地域内での仕入拡大を通じた波及効果を狙い、企業の成長戦略を後押しすることを目的としています。 本稿では、銀行への勤務経験もある行政書士が、「中小企業成長加速化補助金」申請の要件、対象経費、スケジュールについて解説いたします!

「中小企業成長加速化補助金」の審査基準
「中小企業成長加速化補助金」の目的は、成長志向型の中小企業の大胆な設備投資を支援することにあり、 成長志向の目安として、売上高100億円が設定されています。また、当該中小企業の成長を通じて、 下記のような波及効果を目的としていることが公募要領に明記されており、このような波及効果が見込めることが審査基準とされます。
- 産業競争力の強化
- イノベーションの創出
- 地域資源の活用
- サプライチェーンへの波及効果
- 賃上げへの取組
- 適切な取引体制
- 女性が活躍しやすい職場環境
- BCPへの取組み
下記は、経済産業省、中小企業庁の資料からの抜粋した申請のポイントです。 中段の波及効果の部分に、上記のポイント(審査基準)が明記されています。

要件
具体的な要件は下記の通り4つあります。この要件を満たさない限り、審査もされないという仕組みです。 要件を満たして、始めて審査の対象となります。
- 補助対象経費のうち投資額が1億円以上(税抜き)であること
- 補助事業者のが100億宣言を実施し、同宣言が100億宣言ポータルサイトに公表がされていること
- 一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定すること
- 日本国内において補助事業を実施すること
4要件の4番目はわかりやすいと思いますので、残りの3つについて解説をします。
1.投資額1億円以上
補助対象経費のうち、建物費、機械装置費、ソフトウェア費の合算額(税抜き)が1億円以上であることを要します。ただし、外注費および専門家経費を含めることはできず、その合算金額が投資額を上回ってはならないことも要件です。 補助上限額は5億円です(後述)。 なお、事業実施場所が複数の場合でも、補助事業の目的・内容が一体的であることが求められ、交付決定後の場所変更は原則認められません。また、既存の老朽化設備の単なる更新投資は対象外です。
1.100億宣言
補助金の公募申請時までに、補助事業者が「100億宣言」を行い、中小企業庁の100億宣言ポータルサイトで公表されていることが要件です。 なお、1次公募の場合、申請時に同時に100億宣言の申請を行うことも可能です。 ようは、対外的に、売上高100億円を目指すことを経営者が対外的にコミットすることが求められます。 なお、100億宣言ができる企業は、売上高10億円以上100億円未満の中小企業に限定されているので、100億円宣言からは、「売上高10億円以上の中小企業」という要件も導かれます。 下記は中小企業庁の資料からの引用です。

3.賃上げ要件
国の補助金は賃上げ要件が付されることが多く、 「中小企業成長加速化補助金」においても賃上げが要件とされます。 具体的には、まず、今後約5年間にわたって、一定の賃上げ要件を満たす事業計画を策定します。 また、補助事業終了年度を基準年度とし、 その3年後の「給与支給総額」または「従業員及び役員の1人当たり給与支給総額」の値と基準年度の同値を比較したときの年平均上昇率が、 事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率(基準率)以上となることを目標とすることが要件とされます。 この目標は従業員等に表明の上、達成することも要件です。賃上げ要件が達成できない場合には、 未達成率に応じて補助金の返還を求められます。

補助率と補助額
本補助金の補助率は1/2、補助上限額は5億円です。引き上げの特例や枠のようなものはありません。 つまり、10億円の投資で5億円の補助金が得られる可能性があります。
補助対象経費
補助対象となる経費は、補助事業のために使われる投資に限定され、汎用性があるものは対象外です。 具体的には、以下の経費が対象です。
- 建物費
専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、 倉庫その他投資計画の実施に不可欠と認められる建物の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費が対象です。 土地代や建物の単なる購入費用は対象外です。 - 機械装置費
専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、 製作、借用(リース)に要する経費が対象です。「構築物」、「船舶」、「航空機」、「車両及び運搬具」に係る経費は補助対象外です。 また、補助対象となる機械装置は、単価 100 万円(税抜き)以上であること要します。 - ソフトウェア費
専ら補助事業のために使用されるソフトウェア・情報システムの購入や構築、クラウドサービス利用にかかる費用が対象です。 ただし、自社の他事業と共有する場合は補助対象外となる他、パソコン、タブレット、スマートフォンなどの本体費用も対象外です。 - 外注費・専門家経費
事業遂行に必要な加工、設計、検査、コンサルティングなどの外注(請負・委託・専門家経費)にかかる経費が対象です。 ただし、応募申請時の投資計画作成のための経費は対象外です。
申請スケジュール
2025年の申請スケジュールは次の通りです。1次審査が書面審査、 プレゼンテーション審査が外部有識者による計画の効果や実現可能性を審査するプレゼンテーション審査です。 プレゼンテーションでは外部専門家の同席は認められませんが、唯一、金融機関の担当者の同席が認められます(ただし、本事業を確認し後押しする趣旨の「金融機関による確認書」を提出した金融機関に限る)。
日時 | 内容 |
---|---|
令和7年4月下旬 | 公募説明会 |
令和7年5月8日(木) | 申請受付開始 |
令和7年6月9日(月)17:00 | 申請受付締切 |
令和7年7月上旬 | 1次審査結果の公表 |
令和7年7月下旬~8月下旬頃(お盆期間を除く) | プレゼン審査 |
令和7年9月上旬以降※ | 採択結果の公表 |
まとめ
「中小企業成長加速化補助金」は、最大で5億円の補助が見込める大型の補助金である一方、本稿で紹介したような要件と多くの審査基準があり、そららを満たす 事業計画とプレゼンテーションを作成する必要があります。また、金融機関(銀行)の理解と後押しも必要です。 筆者は、銀行勤務経験(法人営業)を有する行政書士として、中小企業の皆様の「中小企業成長加速化補助金」 の相談と申請支援に応じています。 加えて当事務では、中小企業の皆様により上質なサービスを提供すべく 当事務所代表と同様の知識と経験を有する行政書士とともに、単独受任時と変わらない報酬での共同受任にも応じています。 LINE、問い合わせフォーム、または、お電話にてお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。
提携先:行政書士藤原七海事務所
参考法令・資料
- 2025年 中小企業成長加速化補助金 公募要領
- 2025年 中小企業成長加速化補助金 概要資料
- 中小企業庁 100億宣言ポータルサイト
本稿の筆者

行政書士
東京都行政書士会所属
J.S.A. ワインエキスパート
古森洋平 Yohei Komori